先に結論
- 香料の表示がありません。全成分のほとんどは、油・ロウ・色をつける粉でできています。
- 色によって成分が違います。ナッツベージュだけは、「○号」とつく色素が入っていません。
- 気になる成分は「赤202」。ただし日本では口紅に使える色として認められているので、不安をあおる話ではありません。
河北裕介さんプロデュースの&be(アンドビー)から出ているスティックタイプの口紅、シアーリップ。「透けるのにツヤが続く」と話題の商品です。全成分を、Labonoaの成分データベース(EWGのリスク評価と効果タグ付き)と照らし合わせて読んでみました。
香料もエタノールも入っていない。中身は「油とロウ」が中心
4色すべての全成分に、「香料」「エタノール」「パラベン」「フェノキシエタノール」の表示はありません。口紅は水分が少なめの商品なので、こういう組み立てになりやすいのですが、香料なしというのは、においが気になる人にはうれしいポイントだと思います。
土台になっているのは、次のような油とロウです。
- スクワラン(低リスク)— 肌荒れ改善のタグが付く油
- ヒマワリ種子油(低リスク)— 同じく肌荒れ改善のタグ
- アルガニアスピノサ核油(低リスク)— 肌荒れ改善・エイジングケアのタグ
- ヒマワリ種子ロウ(低リスク)— 形をかためるロウ
- カルナウバロウ(低リスク)— スティックの形を保つロウ
公式サイトは、このうちアルガニアスピノサ核油、スクワラン、ヒマワリ種子油、ホホバエステルを「唇の水分を守る成分」と紹介しています。なお、成分の並び順は配合量の順とは限らないので、「何が一番多いか」はここでは断定しません。
「落ちにくいのにベタつかない」の仕組みは、公式の説明によるとジェル膜
公式は「水分を含むとゲル化するオイルが、唇の水分でジェル状の膜を作る」と説明しています。つまり、唇の水分を使って、色とツヤをおおう薄い膜を作る、という考え方です。
どの成分がその役なのかは、全成分表からは特定できません。ただ、油をとろっとかためて形を保つ役のジステアルジモニウムヘクトライトや、砂糖と脂肪酸がくっついた油の仲間のヘキサイソステアリン酸スクロースが入っていることは分かります。後者は、データベース上ではまだリスク評価が「未確認」です。
公式の自然由来指数は96%以上(ISO16128準拠、水を含まない)とされています。「8つのフリー」とも書かれていますが、その中身は公式ページで確認できませんでした。
色で成分が違う。ナッツベージュは「○号」の色素なし
ここがこの記事でいちばん伝えたい発見です。同じシリーズでも、4色で「色をつける成分」が違います。
- ソフトピンク/ソフトベージュ:酸化チタン、マイカ、酸化鉄、合成フルオロフロゴパイト、黄4、赤201・赤202、水酸化Al、硫酸Ba、酸化スズ。色素の種類がいちばん多いグループです
- ブリック:酸化鉄、黄4、酸化チタン、赤201・赤202、硫酸Ba、水酸化Al。マイカ、合成フルオロフロゴパイト、酸化スズは入っていません
- ナッツベージュ:酸化鉄、酸化チタン、マイカ、シリカ、水酸化Al。黄4、赤201、赤202は入っていません
ナッツベージュ以外の3色には「○号」の色素が入り、ナッツベージュは、酸化鉄・酸化チタン・マイカ・シリカといった粉だけで色を作っています。色素の種類を少なくしたい人は、この色から見てみる価値があります。
※ソフトピンクとソフトベージュは、成分の中身は同じで、並び順だけがわずかに違っていました。
気になる1点:赤202(EWGでは使用制限と不純物の懸念が「高」)
ナッツベージュ以外の3色(ソフトピンク、ソフトベージュ、ブリック)に入っている赤201・赤202は、石油などから作られる赤色の色素です。EWG(米国の非営利団体)のデータベースでは「CI 15850」というページにまとまっていて、Labonoaの成分データベースでも同じ色素の仲間として赤201のページに合わせています。
EWGのページで確認できた内容は次のとおりです。
- スコアは1〜5の幅
- 「使用制限」と「不純物が混ざる心配」が、どちらも「高」の評価
- 皮膚から吸収されやすい点も注記されている
- がん、アレルギー、生殖への影響は、どれも「低」の評価
- 研究データの量は「限定的」
ここで大事なのは、EWGのスコアは「製品の危険度」ではなく、「その成分に、どれだけ心配な点が報告されているか」を示すものだということです。EWGは同じページで、この色素を使った製品も、使用制限や警告表示などの条件を満たせば認められる、とも書いています。
日本では、赤202は化粧品に使ってよいタール色素として決められています(化粧品基準の別表に載る「第二部」の色素。口紅など唇に使うものにも使える区分です)。法律で決められた範囲で使われている成分です。
それでも、毎日塗るものだからこそ、中身を知ったうえで選びたい、という人はいると思います。そういう人にとっては、先ほどの「色で成分が違う」という話が役に立ちます。ナッツベージュなら赤202は入っていません。
うるおい系の植物エキスは3種。入っている理由は読み取りやすい
公式が「唇にうるおいを与える成分」として挙げているのは、次の3つです。
あわせてトコフェロール(ビタミンE)が入っていて、エイジングケアのタグが付いています。口紅ですから、効果というより「唇のコンディションを整える脇役」と考えるのが現実的です。
結局、どんな人に向く?
向いている人
- 香料のにおいが苦手、または避けたい
- ツヤがあって、透け感のある仕上がりが好き
- 色をつける成分の違いまで見て選びたい
ほかを検討したほうがいい人
- ベタっとしたツヤより、マットな質感が好き
- はっきりした発色を一度で出したい
- 赤202が入る色は避けたい(その場合はナッツベージュを検討)
まとめると、「香料なしで、色の選び方しだいで成分をしぼれる口紅」です。気になる成分があるなら、全成分の中でその色にだけ入っているかどうかを、一度見てほしいと思います。
全成分リスト(ソフトピンク)
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル/ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル/スクワラン/ヒマワリ種子ロウ/ヒマワリ種子油/ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)/トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2/カルナウバロウ/ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)/ヘキサイソステアリン酸スクロース/ホホバエステル/ジステアルジモニウムヘクトライト/トコフェロール/BG/アルガニアスピノサ核油/キノア種子エキス/水/ヒメフウロエキス/カミツレ花エキス/酸化チタン/マイカ/酸化鉄/合成フルオロフロゴパイト/黄4/赤201/水酸化Al/赤202/硫酸Ba/酸化スズ
出典:&be公式サイト(andbe-official.com)の全成分表示。各成分のリスク評価と役割は、成分名のリンクから個別ページで確認できます。

