先に結論
- 5色の中身は、最後の数個をのぞいて完全に同じです。肌にふれる部分は色で変わりません。どれを買うか迷っているなら、仕上がりの好みで選んで大丈夫です。
- SPF43なのに、紫外線を「吸収する」成分は1つも入っていません。日焼け止めの役目は、光をはね返す白い粉が全部引き受けています。
- ただし1色だけ、メーカー自身が注意書きを出しています。04スノーラベンダーです。理由は後半で書きます。
TWICEのメイクを担当するウォンジョンヨさんの名前がついた化粧下地、トーンアップベース N。リニューアルして全5色になりました。公式サイトに載っている5色分の全成分表示を、Labonoaの成分データベース(リスク評価つき)と1個ずつ突き合わせて読みました。
5色を並べたら、29個目まで完全に一致した
公式サイトには5色ぶんの成分表示が別々に載っています。縦に並べて1行ずつ照合したところ、先頭から29個目まで、5色すべてが同じ成分・同じ並び順でした。違いが出るのは30個目以降、色をつくる粉のところだけです。
- 01ピーチピンク … 酸化鉄(赤〜黄〜黒をつくる粉)
- 02ライムイエロー … 酸化鉄。01と入っている粉の種類は同じで、並び順だけが違います
- 03スカイブルー … 酸化鉄が消えて、青いグンジョウが入ります
- 04スノーラベンダー … グンジョウと酸化鉄の両方に加えて、カルミンとマイカが増えます
- 101メロンミント … 緑色の水酸化クロムが入ります
つまりこの下地は、同じ土台に色の粉だけを入れ替えてつくられています。少なくとも成分表示のうえでは、保湿に関わる部分は5色まったく同じです。
色選びで比べるべきは中身ではなく、自分の肌の何を直したいか。くすみならピンク、赤みならイエローかグリーン、黄みならラベンダー、という公式の説明どおりの選び方で問題なさそうです。
日焼け止めの主役は「吸収しない」タイプ
日焼け止め成分には2つのやり方があります。紫外線を吸い込んで熱などに変えるタイプと、光を鏡のようにはね返すタイプです。この下地は後者だけ。役目を担っているのは酸化亜鉛と酸化チタンという2種類の白い粉で、吸い込むタイプは5色のどれにも入っていませんでした。公式が言う「紫外線吸収剤不使用」は、成分表示を見てもそのとおりです。
はね返すタイプは肌の上でほとんど変化しないので、刺激が気になる人が選びやすいと言われます。そのかわり白い粉なので、塗ると肌がワントーン明るく見えます。この製品が「トーンアップ」できるのは、色の粉の力だけでなく、日焼け止め成分そのものが白いからでもあるんです。
のびの良さをつくっているのは、ほとんどシリコーン
成分表の前半を占めているのは、シリコーンと呼ばれる種類の油です。
- シクロペンタシロキサン — つけたあと数分で飛んでいく、さらさらした油。のびの軽さの正体です
- ジメチコン — 肌の上に薄い膜をつくって、なめらかに見せる油
- ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン — ツヤが出るタイプのシリコーン油
- メタクリル酸メチルクロスポリマー — 目に見えないくらい小さい樹脂のボール。ころがってサラサラした手触りをつくります
「のびが良く、肌なじみのいい処方にリニューアル」と公式が書いているのは、この4つのことです。逆に言うと、シリコーンの膜っぽさが苦手な人には向きません。
「美容液成分」は3つ。5色すべてに同じものが入っている
公式が美容液成分と呼んでいるのは、次の3つです。いずれも保湿目的と説明されています。
加えて、植物と海藻からとったエキスが5つ並んでいます。セイヨウキズタ葉/茎エキス、ヒバマタエキス、クレマティス葉エキス、セイヨウナツユキソウ花エキス、スギナエキスの5つです。
公式の説明は「4種のボタニカルエキス」。数が合わないように見えますが、ヒバマタは海藻なので植物4つと数えているのだと思います。あとはグリセリン、BG、ポリクオタニウム-51と、水を抱える成分がひととおり。下地としては手厚いほうです。
気をつけたい成分:タルク
38個の成分のうち、Labonoaのデータベースで高リスクに分類されたのはタルクの1つだけでした。5色すべてに入っています。
タルクは、すべりをよくするために昔から使われてきた、柔らかい鉱物の粉です。EWG(アメリカの非営利団体がつくった成分データベース)では10段階中8。今回、実際にEWGのタルクのページを開いて、なぜ高いのかを確認しました。書かれていたのは次の内容です。
- タルクにはアスベストが混ざることがあり、呼吸器の毒性とがんのリスクがある
- アスベストを含まない化粧品用のタルクについても、毒性・発がん性がありうるという研究がある(米国のNational Toxicology Panelによる研究)
- 項目別では「発がん性」と「使用制限」が高。ほかに「皮膚からの吸収が高まる」「不純物の混入」が挙げられている
- EWGが独自に認証する「EWG VERIFIED」では、タルクを含む製品は認証されない
ここで大事なのは、EWGのスコアは「懸念の報告がどれだけあるか」を示す数字で、製品そのものの危険度を表すものではないということです。高いスコアの理由の中心は、粉を吸い込む経路にあります。ベビーパウダーのように舞い上がる粉末と、クリーム状に練り込まれた下地では、吸い込む量がそもそも違います。
それでも、タルクを避けたいと決めている人にとっては、この下地は選択肢から外れます。知らずに使うのと、知ったうえで選ぶのとでは意味が違う、というのがLabonoaの立場です。
04スノーラベンダーだけ、メーカーが注意書きを出している
ここがこの製品でいちばん、買う前に知っておいたほうがいい部分です。
04スノーラベンダーの成分表示の下に、公式サイトはこう書いています。「本製品にはカルミンが含まれております。ご使用中に異常があった場合にはご使用をお控えください。」
カルミンは、コチニールカイガラムシという虫からとる赤い色素です。口紅やチークにもよく使われる歴史の長い色材ですが、まれにアレルギーの報告がある成分として知られていて、Labonoaのデータベースでも中リスクに分類しています。メーカーが1色だけに注意書きを添えているのは、そのためだと読めます。
ほかの4色にカルミンは入っていません。虫由来の色素を避けたい人、過去に口紅やチークで合わなかった経験がある人は、04以外を選ぶという判断ができます。公式が自分から書いているので、隠されているわけではありません。ただ、成分表示の一番下にある小さな一文なので見落としやすいだけです。
後半の見慣れない名前は、ほぼ粉のコーティング
水酸化Al、アルミナ、酸化スズ、ハイドロゲンジメチコン、ジミリスチン酸Al。これらは色をつける成分ではなく、色の粉の表面をおおうためのものです。粉のままだと固まったり油になじまなかったりするので、まわりを薄くコーティングしてあります。合成フルオロフロゴパイトは人工のきらきら光る板で、公式が言う「シルバーパール」はこれ。成分表が長く見える理由の半分は、この粉まわりです。
結局、どんな人に向く?
向いている人
- 紫外線を吸収するタイプの成分を避けたい
- さらっと軽い下地が好き
- 保湿も少し欲しいけれど、こってりは苦手
- 色の悩み(くすみ・赤み・黄み)がはっきりしている
ほかを検討したほうがいい人
- タルクを使わないと決めている
- シリコーンの膜っぽさが苦手
- カルミンで合わなかった経験がある(04以外なら大丈夫です)
「土台は5色共通、変わるのは色だけ。ただし04には虫由来の色素が入っている」——これがこの下地の要約です。色で悩んでいる人は、成分を比べても答えは出ません。
全成分リスト(01ピーチピンク)
水/シクロペンタシロキサン/グリセリン/エチルヘキサン酸セチル/酸化亜鉛/BG/ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン/メタクリル酸メチルクロスポリマー/PEG-10ジメチコン/セスキイソステアリン酸ソルビタン/セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン/セスキオレイン酸ソルビタン/硫酸Mg/ジステアルジモニウムヘクトライト/(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル/ステアリン酸/エチルヘキシルグリセリン/フェノキシエタノール/ジメチコン/炭酸プロピレン/ポリクオタニウム-51/ヒアルロン酸Na/セイヨウキズタ葉/茎エキス/ヒバマタエキス/クレマティス葉エキス/セイヨウナツユキソウ花エキス/スギナエキス/セラミドNP/ホホバ種子油/酸化チタン/水酸化Al/酸化鉄/タルク/ハイドロゲンジメチコン/ジミリスチン酸Al/アルミナ/酸化スズ/合成フルオロフロゴパイト
02〜101は、上の29番目(ホホバ種子油)までが共通です。30番目以降の色材だけが入れ替わります。
各成分のリスク評価と役割は、成分名のリンクから個別ページで確認できます。出典はWonjungyo公式オンラインストアの商品ページです。

