先に結論
- ブラックは2種類あり、中身が違います。「ALL IMPACT」は全35成分、繊維入りの「CLEAR FIBER」は全41成分。ケア成分はほぼ共通で、差は繊維・黒色顔料・防腐剤にあります。
- 「使うほどにエイジングケア」の根拠はペプチド1種+和漢エキス4種+海藻エキス。マスカラとしてはかなり手厚い構成です。
- 防腐剤は4〜5種の組み合わせで、メチルパラベンが入っています。EWGスコア3〜4。目もとに使うものなので、知ったうえで選びたいポイントです。
UZU BY FLOWFUSHI(ウズ バイ フローフシ)のモテマスカラは、処方を刷新して「ALL IMPACT」と「CLEAR FIBER」の2本立てになりました(従来のカラー5色は公式サイトで売り切れ表示)。公式サイト掲載の全成分を、Labonoaの成分データベース(EWGリスク評価・効果効能タグ付き)と突き合わせて読み解きます。
2つの黒の違いは「繊維・顔料・防腐剤」の3点
ケア成分と基本骨格(アクリレーツコポリマーの皮膜、ミツロウ・カルナウバロウのワックス)は2本とも同じです。違うのは次の3点。
- 繊維:CLEAR FIBERにはナイロン-6が入り、長さを足す設計。ALL IMPACTは繊維なしで、ボリューム重視。
- 黒色顔料:ALL IMPACTは酸化鉄のみ。CLEAR FIBERは酸化鉄に加えてカーボンブラックとアルミナを使い、より深い黒を狙っています。
- 防腐剤:CLEAR FIBERにだけ1,2-ヘキサンジオールが追加され、スクワランと環状リゾホスファチジン酸Naも入ります。
「にじみにくさ」や「お湯オフ」の仕組み自体は共通なので、選ぶ基準は「長さ(CLEAR FIBER)かボリューム(ALL IMPACT)か」で考えて問題ありません。
「まつげケア」の根拠:ペプチド1種+和漢エキス4種+海藻
ケア成分は2本共通で、マスカラとしてはかなり手厚い構成です。Labonoaの効果効能タグと一緒に並べます。
- アセチルテトラペプチド-3(低リスク)— 生理活性のタグが付くペプチド。まつげ用途で採用例の多い成分です
- アカヤジオウ根エキス(低リスク)— 肌荒れ改善
- ビワ葉エキス(低リスク)— 抗炎症・生理活性
- マグワ根皮エキス(低リスク)— 肌荒れ改善・抗炎症・美白
- アカツメクサ花エキス(低リスク)— 生理活性
- クラドシホンノバエカレドニアエエキス(低リスク)— 公式が「海藻由来の保湿成分」と説明しているのはこれ。モズクの仲間から取れるエキスです
- ナツメ果実エキス(低リスク)— エイジングケア・生理活性
油分はブドウ種子油とマカデミア種子油、酸化防止にトコフェロール。公式が「巡りに着目した天然ミネラル」と呼んでいるのはガーネット末で、これは鉱物の粉体です。ケア成分の中でLabonoaのタグが付いていないのはガーネット末と環状リゾホスファチジン酸Na(データベース上は未評価)の2つでした。
気をつけたい成分:メチルパラベンを含む防腐剤の多層設計
2本とも、防腐に関わる成分が4〜5種入っています。フェノキシエタノール(中リスク)、メチルパラベン(中リスク)、デヒドロ酢酸Na(低リスク)、ペンチレングリコール(低リスク)、CLEAR FIBERはさらに1,2-ヘキサンジオールです。
EWG(米国の非営利団体によるデータベース)の実ページを確認すると、メチルパラベンはスコア3〜4(使い方で変動)。「Other concerns」には内分泌かく乱(moderate)、アレルギー・免疫毒性(low_moderate)と書かれており、EWG VERIFIED製品では「制限付き」の扱いです。フェノキシエタノールはスコア2〜4で、使用制限(moderate)、皮膚・目・肺への刺激(high)が挙げられています。
ここで大事なのは、EWGのスコアは「その成分にどれだけ懸念材料の報告があるか」を示すもので、製品の危険度をそのまま表す数字ではないということ。メチルパラベンもフェノキシエタノールも日本では配合上限が定められた成分で、この製品の配合量が上限内であることは前提です。マスカラは目もとに使い、ブラシを毎日出し入れするため、雑菌対策としてこれくらいの多層設計は珍しくありません。それでも「パラベンは避けたい」と決めている方には、この製品は当てはまらない、というのが事実です。
CLEAR FIBERだけの注意点:カーボンブラック
CLEAR FIBERの黒色顔料カーボンブラックは、EWGでは「未認証グレード(Uncertified D&C Black No. 2)」の項目としてスコア10が付いています。記載されている懸念は、発がん性(moderate)、アレルギー・免疫毒性(moderate)、使用制限(high)、不純物混入の懸念(high)です。
ただし、EWGの項目名にあるとおり、この評価は純度管理されていないグレードを対象にしたもの。化粧品用のカーボンブラックは日本でも欧米でも使用が認められている顔料で、マスカラやアイライナーの黒色として長く使われてきました。Labonoaのデータベースでも中リスクの扱いです。「黒の深さ」を取るならCLEAR FIBER、「顔料をシンプルにしたい」ならALL IMPACT、という選び分けができます。
「石油系界面活性剤フリー」の表記について
公式サイトには「石油系界面活性剤フリー」とありますが、成分表にはラウレス-21(低リスク)、CLEAR FIBERにはポリソルベート60(中リスク)というエトキシ化タイプの非イオン界面活性剤が入っています。「石油系界面活性剤」は法律上の定義がない言葉なので表記が間違いというわけではありませんが、成分表を読む人にとっては「界面活性剤が入っていない」わけではない、と知っておくと誤解がありません。
結局、どんな人に向く?
向いている人
- お湯で落ちるマスカラで、まつげのケア成分もしっかり入っているものを探している
- 長さ重視ならCLEAR FIBER、ボリューム重視ならALL IMPACT
- 人工香料・シリコンを避けたい(どちらも不使用)
ほかを検討したほうがいい人
- パラベンフリーを条件にしている
- 目もとが敏感で、防腐剤の種類は少ないほうが安心
- 顔料をシンプルにしたい(その場合はCLEAR FIBERよりALL IMPACT)
「ケア成分は本気、防腐は手堅く多層」——これがモテマスカラ2026年版の要約です。
全成分リスト
ALL IMPACT ブラック(35成分)
水/アクリレーツコポリマー/ステアリン酸グリセリル/ミツロウ/ステアリン酸/イソステアリン酸デキストリン/カルナウバロウ/トリアコンタニルPVP/セレシン/トリ脂肪酸(C18-36)グリセリル/ペンチレングリコール/AMPD/ステアリン酸ソルビタン/ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル/ガーネット末/アセチルテトラペプチド-3/トコフェロール/ブドウ種子油/マカデミア種子油/ナツメ果実エキス/アカツメクサ花エキス/クラドシホンノバエカレドニアエエキス/アカヤジオウ根エキス/ビワ葉エキス/マグワ根皮エキス/デキストラン/キサンタンガム/BG/ラウレス-21/デヒドロ酢酸Na/ポリビニルアルコール/エタノール/フェノキシエタノール/メチルパラベン/酸化鉄
CLEAR FIBER ブラック(41成分)
水/アクリレーツコポリマー/ミツロウ/エタノール/ステアリン酸グリセリル/ステアリン酸/ナイロン-6/イソステアリン酸デキストリン/カルナウバロウ/ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル/ペンチレングリコール/スクワラン/ステアリン酸ソルビタン/ガーネット末/アセチルテトラペプチド-3/環状リゾホスファチジン酸Na/トコフェロール/ブドウ種子油/マカデミア種子油/ナツメ果実エキス/アカツメクサ花エキス/クラドシホンノバエカレドニアエエキス/アカヤジオウ根エキス/ビワ葉エキス/マグワ根皮エキス/デキストラン/キサンタンガム/シリカ/ヒドロキシエチルセルロース/ポリソルベート60/BG/ラウレス-21/AMPD/ポリビニルアルコール/1,2-ヘキサンジオール/デヒドロ酢酸Na/フェノキシエタノール/メチルパラベン/酸化鉄/アルミナ/カーボンブラック
全成分は2026年9月時点の公式サイト掲載情報にもとづきます。各成分のリスク評価と役割は、成分名のリンクから個別ページで確認できます。

