SNSで話題「フェリチンフェイス」とは?
TikTokなどのSNSで最近注目されている「フェリチンフェイス」という言葉をご存じでしょうか。これは、体内の鉄貯蔵量(フェリチン)が低下したときに現れるとされる顔の変化を指す、いわば現代の造語です。具体的には、目の下のくまが濃くなる、肌がくすんで見える、顔色が青白い、口角が切れやすくなるといった症状が挙げられています。医学的な正式な診断名ではありませんが、多くの女性が共感する現象として広がっています。
実際、2024年に『JAMA Open Network』で発表された研究によると、18歳から50歳の女性の約34%が鉄不足の状態にあると報告されています。閉経後は月経による鉄の損失がなくなるため頻度は減りますが、それでもなお、鉄不足は女性にとって身近な健康課題といえるでしょう。
鉄が不足すると体に何が起こる?
鉄は、血液中のヘモグロビンを作るために欠かせないミネラルです。ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ役割を担っており、筋肉や心臓の機能、髪の成長、さらには脳内の神経伝達物質(ドーパミンやセロトニン)の生成にも関わっています。ニューヨーク・プレスビテリアン病院の血液専門医イモ・J・アクパン医師は、「鉄は気分に大きな影響を与える脳内物質の生成にも重要」と指摘しています。
また、生殖内分泌専門医のローラ・シャヒーン医師は、「鉄は排卵のサポートや健康な子宮内膜の維持にも静かに、しかし重要な役割を果たしている」と述べています。つまり、鉄不足は単なる疲れや顔色の問題だけでなく、女性のライフサイクル全体に影響を及ぼす可能性があるのです。
見逃されがちな鉄不足のサイン
鉄不足の症状は多岐にわたりますが、特に女性に見られやすいものとして以下のようなものがあります。
- 慢性的な疲労感
- 抜け毛の増加
- ブレインフォグ(思考がぼんやりする)
- むずむず脚症候群
- 月経量が多い
- 顔色が悪い、くまが目立つ
これらの症状は、忙しい毎日の中で「ただの疲れ」と片付けられがちです。しかし、鉄不足が進行すると貧血(鉄欠乏性貧血)に至ることもあります。貧血は、体内で健康な赤血球が十分に作られなくなる状態で、放置するとさらに深刻な健康問題につながる可能性があります。
鉄不足を疑ったらどうする?
もし上記のような症状が続くようであれば、一度医療機関で血液検査を受けてみることをおすすめします。特に、月経量が多い、あるいは子宮筋腫がある女性は鉄不足のリスクが高いと言われています。
検査では、ヘモグロビン値だけでなく、フェリチン値(貯蔵鉄)も測定してもらうことが大切です。フェリチン値が低いのにヘモグロビン値が正常範囲内という「隠れ鉄不足」のケースも少なくありません。
日々の食事では、レバー、赤身の肉、ほうれん草、ひじきなどの鉄分を多く含む食品を意識して摂るとよいでしょう。ただし、鉄分の吸収を高めるにはビタミンCを一緒に摂ることが効果的と言われています。また、鉄サプリメントの使用を検討する場合は、必ず医師に相談してください。
「フェリチンフェイス」という言葉が広まった背景には、多くの女性が自分の不調を言語化できずにいたという現実があります。顔の変化は、体からの大切なメッセージかもしれません。
本記事は以下の海外メディアの記事を参考に、ラボノア編集部が独自に再構成したコラムです。商品の効能効果を断定するものではありません。
参考記事: TikTok's “Ferritin Face” Can Be a Sign of a Very Real Health Concern for Women

