先に結論
- シルバーのきらめきは、本物の「銀」です。全成分表示に、そのまま「銀」と書かれています。
- 残りのラメは、ガラスとプラスチックのフィルム。角度で色が変わるのは、この2つの素材のおかげです。
- 目もとに使うなら、1つだけ知っておきたい成分があります。フェノキシエタノールです。ただし「使うのをやめて」という話ではありません。
ふくれなさんプロデュースのCipiCipi(シピシピ)、グリッターイルミネーションライナーS。シリーズ累計86万本を超えた看板商品です。定番色「01 ピンクベージュ」の45成分を、Labonoaの成分データベースと突き合わせて全部読んでみました。
シルバーのきらめきの正体は、本物の「銀」でした
成分表を上から読んでいって、いちばん驚いたのがこれです。
ラメの中に銀が入っています。「シルバーっぽい色」という意味ではなくて、金属の銀そのものです。化粧品では、あの冷たくて硬い光を出すための着色剤として使われます。
公式の説明でも、01 ピンクベージュは「シルバーのグリッターをリッチに配合」。その「シルバー」が比喩じゃなかったということなんです。
ラメ入りコスメで、銀そのものが入っているものはそこまで多くありません。1,320円という値段を考えると、素直にがんばっている部分だと思います。
残りのラメは、ほとんどが「ガラス」と「プラスチック」
キラキラを作っているのは銀だけではありません。45成分のうち、後半の14個くらいは全部「光る粉」です。大きく3つに分けられます。
1. ガラスの粉
- ホウケイ酸(Ca/Al)── 理科の実験で使うビーカーと同じ種類のガラスです。うすい板にすると、見る角度で色が変わります
- ホウケイ酸(Ca/Na)── 同じくガラス。こちらのほうが白っぽく光ります
- シリカ── 砂と同じ成分。粉どうしがくっつくのを防ぎます
2. プラスチックのフィルム
- PET── ペットボトルと同じ素材。うすいフィルムにして細かく切ると、ラメになります
- ポリブチレンテレフタレート── PETの兄弟みたいな素材。同じくラメの土台です
- ポリウレタン-11── ラメの表面をコーティングして、切り口のギザギザをなめらかにする役
- ポリメタクリル酸メチル── いわゆるアクリル。透明感のある丸い粒です
3. 鉱物と、その人工版
- マイカ── 天然の雲母(うんも)。パールの定番です
- 合成フルオロフロゴパイト── マイカを工場で作り直したもの。天然より透明度が高くて、光が澄んで見えます
- 酸化チタンと酸化スズ── 粉の表面に重ねて、色みを調整する役です
「ペットボトルと同じ素材」と聞くとぎょっとするかもしれませんが、ラメ入りコスメではごく普通の作り方です。粒は肌にしみこむものではなく、まぶたの上に乗っているだけです。
「美容液成分11種」の中身は、セラミド3種が主役
このライナーは「美容液成分11種類配合」を売りにしています。中身を見てみると、いちばん存在感があるのはセラミドでした。
セラミドは、肌の表面で水分をはさみこんでキープする成分です。3種類入れるのはスキンケアの美容液でも上等な部類で、ポイントメイクに入れる内容ではないな、というのが正直な感想です。
ほかにスクワラン、ヒアルロン酸Na、加水分解コラーゲン、加水分解エラスチン、スイゼンジノリ多糖体。いずれもメーカーが保湿成分として挙げているものです。
ラメを留めているのは、キノコと花から採った膜
ラメを密着させる役も、ちょっと変わっています。ふつうは石油からつくった樹脂が担うことが多いのですが、この製品はシロキクラゲ多糖体とチューベロース多糖体を使っています。前者は白キクラゲというキノコ、後者はチューベローズという花から採った、とろみのある成分です。
どちらも乾くとうすい膜になって、ラメをまぶたに留めてくれます。メーカーはリニューアルでこの2つを増やしたと説明していて、「ヨレにくいのに乾燥しない」という評判はここから来ていそうです。
目もとに使うなら知っておきたい:フェノキシエタノール
ここからは、ほめるだけでは終われない話です。
この製品にはフェノキシエタノールという防腐剤が入っています。水が入っている化粧品には中身が腐らないようにする成分が必要で、これはその代表選手。ほとんどの化粧水にも入っている、ごく一般的なものです。
ただ、アメリカの非営利団体EWGのデータベースを見ると、この成分には「Irritation(皮ふ・目・肺への刺激)」の項目がhigh(高)と記載されています。スコアは2〜4です。
気になるのは、この製品の使い方です。公式のおすすめは「目頭」と「涙袋」。つまり、まぶたの中でもいちばん目に近いところに置くアイテムなんです。
ここで2つ、はっきりさせておきたいことがあります。
- EWGのスコアは「危険度」ではありません。その成分についてどれだけ懸念の報告があるかを示す数字で、製品そのものの安全性を表すものではありません
- 日本では配合量にルールがあります。フェノキシエタノールは化粧品基準で上限1.0%と決まっていて、それを超えて入れることはできません
なので、「このライナーは危ない」という話ではまったくないんです。ただ、目に入ると刺激を感じる可能性のある成分が、目のすぐそばに置かれている──その事実は知っておいて損はないと思います。目が敏感な方、コンタクトをしている方は、目のふちギリギリではなく少し下に置くほうが安心です。
もうひとつ、メチルパラベンについて
メチルパラベンも入っています。EWGのスコアは3〜4で、「Endocrine disruption(ホルモンへの影響)」の項目がmoderate(中)と記載されています。EWG自身は、パラベン類は女性ホルモンに似た働きをする可能性があると説明しています。
こちらも日本ではパラベン類の合計で上限1.0%というルールがあります。防腐剤を2種類組み合わせるのは、それぞれの量を減らしつつ全体で守るための設計で、めずらしくはありません。
「保湿力112%」は、前の自分と比べた数字
パッケージやLPに大きく出ている「ベース保湿力112%」。この数字、注意書きを読むと「当社従来品比」とあります。つまり、リニューアル前のグリッターイルミネーションライナーRと比べて、という意味です。
しかも比べているのは製品まるごとではなく「ベース処方」の部分だけ。ほかのブランドのアイテムより保湿力が高い、という話ではありません。
増えた保湿成分は4つと公表されていて、イノシトールオリゴ糖、フクロフノリエキス、デキストリン、クレアチンです。こういう注意書きまで開示しているのは、むしろ誠実なほうだと思います。
ベースは水っぽいジェル。オイルもアルコールもほぼ無し
土台は水にグリセリン、BG、トレハロースという素直な作り。とろみはキサンタンガムとカルボマーで、これが粉を沈ませない役です。
結局、どんな人に向く?
向いている人
- まぶたが乾燥しやすくて、ラメがパキパキに割れてしまう
- 粒の大きいラメより、上品に光るほうが好き
- 目もとの乾燥が気になるので、保湿もしてくれるものがいい
- 1,000円台でしっかりしたものを選びたい
ほかも検討したほうがいい人
- 目がとても敏感、または目のトラブルが出やすい
- 防腐剤(フェノキシエタノール・パラベン)をできるだけ避けたい
- お湯だけでオフしたい(ラメはクレンジングが必要です)
「1,320円のラメに、銀とセラミド3種とキノコの膜が入っている」──これがこの製品の要約です。値段のわりに中身が真面目、というのが45成分を全部見たあとの正直な感想でした。そのうえで、置く場所だけは目のふちを少し避けてあげるといいと思います。
全成分リスト(01 ピンクベージュ)
水/グリセリン/BG/ポリグリセリン-3/デキストリン/(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー/クレアチン/トレハロース/スクワラン/フェノキシエタノール/(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー/メチルパラベン/イノシトールオリゴ糖/ポリソルベート60/エチルヘキシルグリセリン/フクロフノリエキス/加水分解コラーゲン/シロキクラゲ多糖体/チューベロース多糖体/ラウロイルラクチレートNa/加水分解エラスチン/セラミドNP/ヒアルロン酸Na/セラミドAP/フィトスフィンゴシン/コレステロール/スイゼンジノリ多糖体/キサンタンガム/カルボマー/セラミドEOP/PET/合成フルオロフロゴパイト/酸化チタン/ポリブチレンテレフタレート/ホウケイ酸(Ca/Al)/マイカ/酸化鉄/ポリメタクリル酸メチル/シリカ/ホウケイ酸(Ca/Na)/酸化スズ/銀/ポリウレタン-11/アクリレーツコポリマー/Al
成分名のリンクから、それぞれのリスク評価と役割を確認できます。全成分は公式オンラインストアの表示にもとづいています。カラーによって光る粉の種類は少し変わります。

