「食べられそうな香り」がなぜ支持されるのか
ここ数年、香水売り場で存在感を増しているのが「グルマン」と呼ばれる香調です。バニラ、キャラメル、コーヒー、カカオ、フルーツなど、スイーツや飲み物を思わせる甘いノートを中心に構成された香りを指します。2020年代を象徴する香調として、いま世界中のブランドが力を入れている分野でもあります。
香料メーカーの調香師によると、グルマン香水は「心地よさ、喜び、ノスタルジー、そして現実からの逃避」といった感情に直結しやすいのだそう。香りをまとった瞬間に、ほっとする記憶や懐かしい情景が呼び起こされる——それが多くの人を惹きつける理由だと言われています。
また、甘い香りは「自分自身を甘やかす」感覚とも結びつきやすく、セルフケアの一環として香りを選ぶ人も増えているようです。
ひと口にグルマンといっても幅が広い
グルマンと聞くと、いかにも砂糖菓子のような甘さを想像するかもしれません。しかし最近のグルマンは、もっと複雑で大人っぽい仕上がりが主流になりつつあります。代表的なタイプを整理してみましょう。
- バニラ系:バニラを軸に、ウッディやスパイスを重ねて深みを出すタイプ。甘さの中に落ち着きがあり、秋冬に好まれる傾向があります。
- フルーティー系:ベリーや洋梨などの果実感を前面に出した、明るく親しみやすい香り。
- シトラス系:柑橘の爽やかさと甘さを掛け合わせた、軽やかな仕上がり。夏場でも使いやすいとされています。
- スパイス系:カルダモンやシナモンなどを効かせた、温かみのある香り。甘さの中に刺激が同居します。
- ライト系:ヘアミストやボディミストなど、気軽に纏える低濃度タイプ。香りの変化を楽しむ入門編としても人気です。
「甘い香りは苦手」という人向けに、あえて甘さを控えめにしたグルマンも登場しています。香りの専門家は、こうしたタイプを「グルマン初心者にも勧めやすい」と話しています。
自分に合うグルマン香水の選び方
グルマンは他の香調に比べて主張が強く、肌にのせたときの印象が人によって大きく変わりやすいのが特徴です。選ぶ際は次の点を意識すると失敗が少なくなります。
- トップノートだけで決めない:つけた瞬間の甘さが苦手でも、数十分後に落ち着いた香りが好みに合うことがあります。できれば一度肌につけて時間を置いて確認しましょう。
- つける量と場所を調整する:甘さが強い場合は、手首や耳の後ろなど体温の高い部分に少量つけるのがおすすめ。纏いすぎると重く感じられることがあります。
- 季節や場面で使い分ける:バニラやスパイスは秋冬、シトラスやフルーティーは春夏、というように季節に合わせると馴染みやすくなります。
- 重ねづけも選択肢に:単体では甘すぎると感じたら、無香料のボディクリームや爽やかな香りのヘアミストと組み合わせるのも一つの方法です。
香りの好みは本当に人それぞれ。だからこそ、流行に流されず「自分がほっとするかどうか」を基準に選ぶのが、長く付き合える一本に出会う近道だと言えそうです。
まとめ:甘さは「自分を満たす」ための香り
グルマン香水の魅力は、単に甘いからではなく、記憶や感情に働きかける力にあるのかもしれません。デザートを我慢しているときに甘い香りを求めてしまう、という声があるのも納得です。香りは目に見えませんが、その日の気分をそっと支えてくれる存在でもあります。2026年は、これまで甘い香りを避けてきた人も、あえて一つ試してみる価値がある年になるかもしれません。
本記事は以下の海外メディアの記事を参考に、ラボノア編集部が独自に再構成したコラムです。商品の効能効果を断定するものではありません。
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