パリに誕生した新たなウェルネススポット
パリ16区、ペニンシュラやプラザ・アテネといった高級ホテルが立ち並ぶエリアに、ひときわ異彩を放つウェルネススタジオがオープンしました。その名も「Dream Seven」。約440平方メートルの明るい空間には、彫刻やサウンド、香り、そしてスポーツが融合し、訪れる人を非日常へと誘います。
このスタジオを手がけたのは、元カレッジフットボール選手であり、現在はファッションフォトグラファーとして活躍するDeMarcus Allen氏。彼のキャリアは決して一直線ではなく、保護観察官を経てパリで国際関係論を学び、ひょんなことからカメラを手に取り、瞬く間にファッション業界で頭角を現しました。そんな彼がなぜピラティススタジオを開いたのか、その背景には自身の身体と心の変化がありました。
「動く」ことの再発見
Allen氏がピラティスと出会ったのは、母親を突然亡くした後の2019年。悲しみから体重が15キロ近く増え、心身ともにどん底にいた彼を変えたのが、ロサンゼルスで受けたピラティスのレッスンでした。もともとフットボールで鍛えた身体を持つ彼も、最初は「こんなもので変わるのか」と半信半疑だったといいます。しかし、そのクラスを終えた瞬間、体の内側から何かが変わったのを感じたそうです。
「あのクラスの直後、友人に『これだ』と伝えたんです。動くことの喜びを、大人になってから初めて思い出しました。」
この経験から、彼は「動くこと」を美しさや健康の基盤と捉え、自身の写真で培った審美眼を活かした空間づくりに着手しました。
五感を満たす空間デザイン
Dream Sevenの特徴は、単なるエクササイズスタジオではない点です。インテリアにはアート作品が配され、レッスン中にはこだわりのサウンドとアロマが流れます。まるでギャラリーにいるかのような洗練された空間で、ヨガやマットピラティス、リフォーマーピラティスが行われます。
Allen氏は言います。「ファッション写真で大切なのは、被写体の動きと背景の調和。スタジオでも同じで、人が動くときの美しさを最大限に引き出す環境が必要なんです。」
このスタジオは、パリのラグジュアリーなライフスタイルに新たな選択肢を加える存在として、すでに注目を集めています。
自分自身を「再発明」する力
Allen氏の歩みは、何度も自分を「再発明」してきた連続でした。フットボール選手の夢を怪我で断たれ、刑務所職員、保護観察官、そして写真家へ。そして今、ウェルネス事業へとそのフィールドを広げています。
彼のストーリーが示すのは、人生のどんな局面でも、新しい動き方を始めることで道が開けるかもしれない、ということ。特に、年齢やキャリアに関係なく、身体と向き合う時間を持つことの大切さを教えてくれます。
パリの最新ウェルネススポットは、単なるトレーニングの場ではなく、自分自身を再発見するための舞台装置なのかもしれません。

